たくさんの愛をありがとう

10月12日の午前4時過ぎ、15年以上共に生きた愛犬のトイが天国へ旅立ちました。

7月末に腎不全末期と診断され、その時から獣医さんにはいつ亡くなってもおかしくないと言われましたが、それでも3ヶ月弱頑張りました。
3.3kgあった体重は1.2kgと半分以下になり、骨と皮ばかり…立つことも困難で相当苦しかったに違いないのに、それでもハアハアと息をして足をバタバタと動かし、必死で生きようとする姿には、命ある者の「生」に対する並々ならぬ想いが否応なく伝わり、そんな愛犬を見るにつけ、今の自分の生き方は甘ったれていないか、私はこれでいいのだろうか…と自問自答、考えさせられる毎日でした。

亡くなる前の数日間は1時間毎に発作を起こし、目をギョロっとひんむき呼吸は荒く、絞り出した声で鳴くのです。私は名前を呼んで撫でるしかできず、そして片時も目を離せず仕事もままならない…夜も寝られない数日が続き、心の中で「もうよく頑張ったよ!死んでもいいよ。いや、死んでほしい…」と思いました。死んでほしいなんて、酷いですよね。でも本当に苦しくて…。

亡くなったら、楽になるかなと思っていました。たしかに、夜は1時間毎に起きなくてもよくなったし、買い物も自由に行けるし、帰る時間を気にしなくてもよくなったのですが、今度は大事なものをなくしてしまった喪失感に襲われました。ずっと前から覚悟もしていたし、仕方のないことだと分かっているのに、悲しくて寂しくて…思い出すたび涙が出てきます。

そんな私を救ってくれたのは、友達や人生の先輩方、また私に関わって下さる方々、周りにいる人がくれる優しく暖かいメッセージやメール、一緒に悲しみを分かち合ってくれる友達や家族、そして在りし日の懐かしい思い出の写真、美しく咲いてくれる生花…。たくさんの愛がそっと私を優しく包んでくれて、痛みを和らげてくれました。
そして音楽…まだ胸の痛みは癒えないけれど、ピアノを弾いたり歌を歌うと心が救われる気がします。
私を優しく包んでくれた生あるもののたくさんの愛…私も誰かの心にそっと寄りそい優しく包んであげられるような、そんな歌を歌えるようになりたいと強く思いました。
トイが必死で生きた証を残したい…目標に向かって私ももう一度必死で頑張りたい、そう思っています。

トイ、最後の最後まで頑張ってくれて本当にありがとう!15年間、私にたくさんの愛をくれてありがとう!天国でたまにはお母さんのことも思い出してね。ずっとずっと大好きだよ♡

かけがえのない命、大切な命…どうぞみなさんも目の前の大事な人やペット、生あるものへたくさんの愛を注いであげてくださいね。

ソプラノ稲向裕子 YUKO INAMUKAI

ソプラノ稲向裕子公式HPです。ご覧頂きありがとうございます。 私はオペラ出演、コンサート活動のほか四日市市(四日市市文化会館近く)にて稲向裕子ピアノ・声楽教室を主宰しています。(※教室は現在定員に達したため体験レッスン・新規入会は一時停止しております。)

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